2010年4月1日付毎日新聞によると、東京大学の研究チームが、脂肪燃焼や血糖値を低下させるホルモン「アディポネクチン」に、運動した時と同じ効果を体内で発現させる作用があることを明らかにしたそうです。
アディポネクチンは、脂肪細胞が分泌する生理活性物質(サイトカイン)で、血中濃度は一般的なホルモンに比べて圧倒的に高いとされています。また、これまでアディポネクチンによるものであろうと推測されてきた作用としては、肝臓の活性化、動脈硬化抑制、抗炎症、心筋肥大抑制などがあります。
研究チームは、アディポネクチンが結び付くたんぱく質が機能しないマウスを作り、正常なマウスと比較。このたんぱく質が機能しないマウスは血糖の取り込みや脂肪燃焼のほか、持久力を生む筋繊維を作り出す物質の量が減り、その働きも低下していたといいます。
研究チームでは、アディポネクチンが結び付いたたんぱく質に、血糖値を下げるインスリン機能の強化、脂肪燃焼効果などがあると結論付けています。また、今後の糖尿病治療薬の開発につながることも期待できるとしています。